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ファンシイダンスのmitakosamaのレビュー・感想・評価

ファンシイダンス(1989年製作の映画)
2.9
角川youtubeにて。シャルウィダンスの周防監督のメジャーデビュー作とのことだが、シャルウィ〜程は跳ねてない印象だなー。
元々は漫画原作なんだよね。漫画の絵柄が、当時流行ったコールド系のタッチ。同時期の動物のお医者さんとかに近い。絵に効果線や集中線を廃して躍動感を抑えたスタイルの漫画で、それによりどこかシュールな笑いを醸し出すというジャンルだ。

このテの漫画の持つシュールなテイストの再現がやはり難易度が高かったと言える。
バブル期特有の乾いた笑いを表現するのに、周防監督が用いた演出が小津安二郎だ。特に竹中直人が顕著だが、抑揚の無い口調はそのまんま監督が好きな小津の模倣だ。

物語はモックンが寺の跡取りであるが故に、修行僧として山に入るというもの。元々チャラいバンドマンなので修行も本気じゃ無い。離れて暮らす彼女(鈴木保奈美)が気になって仕方ない。モックンの弟(大沢健)、田口浩正、そして妖怪になる前の彦摩呂らが同期として一緒に修行する。基本みんな真面目じゃ無いので形だけ取り繕っているだけ。指導的立場にある竹中直人も、厳しく辺りもするがやっぱり生臭坊主。

そんな不真面目さがポーカーフェイスの演技で表現される。ジワジワ面白いのだがテンションが低いので全体的に盛り上がりには欠けるな。
やっぱりこういう原作は難しいンだよな。ドラマ版の動物のお医者さんにも同じようなもどかしさを感じたんだよな。
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