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ワンダーウーマンのesewのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
2.0
2018.03.21
シンプルにアクション大作としてクソだった。

マンガやアニメ作品を実写CGにするとき必ず避けて通れない、人間が物理法則の中でどう動くと不自然じゃないかっていうのがある。00年代後半からのアメコミヒーローはそれとの闘いで手振れ映像で観客の視線を登場人物に集中させないとか、画面を暗くしてそもそもハッキリ人物を見せないとかやってきたわけです。それが全部ねえ。

このワンダーウーマンには20年前のワイヤーアクション見たときのバカじゃねーの?そんな慣性のない動きするわけないだろっていう風味がある。とくにジャンプして移動するとき顕著だ。

監督はアクションに思い入れがないだろう。かと言ってストーリー展開やセリフ回しに機知があるわけでもない。もうアホほどストレートな面白味のない展開だし、伏線なんてありもしない。

女優もアクションを舐めてる。体幹を鍛えてないから全力ダッシュするとき体軸がフラフラしてる。とても弱そうである。女優が演技にリアリティを持たせるなら追及するのはそういうとこじゃないの?マンガ原作の荒唐無稽な話ならなおさらそういうディティールの追求でリアリティを付加しなきゃいけないんじゃないの?

じゃあ意義みたいのがあるのか?それもないでしょう。女性が男性とは異なる哲学を持ち、女性ならではの解決法を提示して物語を形づくるわけでもない。結局悪を暴力によってぶん殴って解決するのである。「愛を信じる」とか言いながら殴り倒して問題解決しようとするのである。アホなの?

この作品にあるのは、女性監督、女性主人公なら女性の声を反映できますっていう単純論法だけだ。マーケティングに利用できるだけの「女性」というバズワードだ。でもそんなわけないだろう、女性監督なら男性監督より女性の真の声を反映できる”可能性”はありますだ。でもこの作品ではそうはならず失敗した。アメコミアクション大作がこの数年積み重ねた成果を放棄して、女性監督が挑戦してみたが、なんの映画的新境地も開けずただ失敗した駄作を見せられたというだけの印象。

もっと優れた才能のある女性監督や女優が出てくるといいなぁ。
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