多分、遠回りみたいな映画だから。
映画くさい演出も、ゆるっとした展開も、中弛みを感じてしまうロードムービーであってもアリなんだろう。
数々のハプニングを点の様に結び、感動の結末を持ってくる。これがロードムービーの基本。
でも今作は、何気ないところにも、ほんと下らないところにもフォーカスが当たっている。これが、「長いよ」って思う方も居るだろう。ありがちな展開に「くさいよ」って思う人もいるだろう。
でもね。大したことのない男3人の、見せつけるような友情って、現実世界にありふれているはずだ。
こんな普遍的な旅を、映画としてゆっくり観るのもたまには良い。
気が楽だ。
ゆったりとした逃避行。人生は一人旅じゃないって歌詞にもあったしね。
ぽつらぽつらと、好きなセリフがあって、特に「幸せになるために人生の時間を使わないと」っていうレイラの自由に生きる姿を体現した言葉がお気に入り。
時間は今のために使うものだし、消耗も貯金も勿体ない。
鈍行の各駅停車に乗って、回り道。ようやく会えた大切な友達。これまでも、これからも、自分の人生は自分のもの。