トールキン

リリーのすべてのトールキンのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
3.9
エディレッドメインの役者魂をこれでもかとくらい感じさせてくれる。「博士と彼女のセオリー」と同様に、演技とは言えここまで役に憑依するというのは単純に見ていて圧倒されるし見入ってしまう。その役どころに後半に向けて段々と見るのが辛くなっていく。

そして、奥さんのゲルダがすごく不憫に思えてしまう。愛する夫のアイナーはもう存在せず、リリーという女性に生まれ変わっても尚、愛し続ける。その心境は計り知れないしリリーよりもゲルダについ感情移入してしまう。そりゃ心の拠り所を失っても仕方がない。ゲルダを演じたアリシアヴィキャンデルという女優さん、初めて知ったんだけど、美人だし演技上手いしめちゃくちゃ惹きつけられる。

最後の最後にこれが実話を基にした作品だと知り、リリーのモデルになった人は世界で初めて性別適合手術を行った人物だという。
今でこそトランスジェンダーという言葉が一般的に普及されてはいるが、性的なことも含めてそういった身近な差別や偏見ていうのは完全に無くならないんだろうな。その人が自分で決めて選んだ生き方に誰も批判する権利なんて無いし自由にすればいいだけではないだろうか。
面白かった、と言うよりもちょっとした悶々とか色々残るけどそれらの問題について考えさせられる。
トールキン

トールキン