世界で初めて性別適合手術を受けたとされるリリー・エリべと彼女が女性に目覚める以前の妻ゲルダの物語。
僕はゲルダの物語として受け取りました。愛する夫のトランスジェンダーに対する葛藤が苦しいです。それを認めても認めなくても何かを失うことになるのです。
駅で見送るシーンが切なく美しいです。押し潰されそうなほど苦しい二律背反の気持ちが、らせん状に高速で積み上がって行くのが見えるようでした。
そして、この映画で最も美しいシーンがラストに待っていました。忘れられないシーンになりそうです。
最近忙しく、観たい新作が積み上がっている中で、あと2ヶ月もすればDVDレンタルが始まる本作を観に行くことに若干のためらいがありましたが、観てよかったです。あのラストシーンはスクリーンで観るからこそ美しいと思います。