メキシコ革命後に起こったクリステロ戦争(1926年8月3日 – 1929年6月21日)が題材。
1917年に成立したメキシコ憲法は、ソビエト連邦社会主義共和国憲法(1918年)やワイマール憲法(1919年)のモデルになったような先進的な憲法であると同時に、民間に浸透していた宗教(キリスト教・カトリック)を弾圧する条項も盛り込まれているなどの問題も抱えていた。クリステロ戦争は弾圧された信徒たちが起こした内乱とのこと。
つまり当時のカトリックは旧体制の基板・象徴みたいな感じだったのかな? 古くて権威のあるものが革命軍とは相反するのは想像に難くない。
当時の主流はプロテスタント。既得権益の取り崩しでやり玉に挙げられていたんだろうね。共産主義勢力に目の敵にされて弾圧されたカトリックが、ファシスト勢力と結びついたのがフランコ・スペインだったけど、その背景と同じようなことが世界的に起きていたってことかもしれない。
・決起した神父。
・引退していた将軍も参加。
・ならず者だけど信徒たち。
バラエティに富んでいる味方側のなかには子どももいる。子どもは物語を牽引するためにこさえたオリジナルだろうと思っていたら、まさかの実在でびっくりした。彼もまた殉教者として語り継がれている。
ということは、最初から最後まで、ほぼほぼ史実通りだったというわけだ。
メキシコ革命の頃って、西部劇でいうところの南軍が逃げ込んだ先なので、あのビジュアルイメージ(屋外のフィルム撮影で黄色みがかった世界)だったんだけど、この映画はそれをいい意味で裏切ってくれる。
あたかもヨーロッパの都市のようなきれいなメキシコなんだけど、ヨーロッパから入植してきたひとたちが作った町なんだからそれは当たり前なんだよね。
これはめちゃくちゃ勉強になりました。
面白かった!