核 燃 料、 消 失。
国家への反動(バックラッシュ)が引き起こした、ウラン流出の謎。
アフリカの東ザンベジで鉱山技師として働くリック・モーガンの元に、旧友のトニー・スターク…ではなくジム・スコットがやって来る。
ジムはリックに仕事を依頼しており、リックの鉱山に有毒廃棄物を置かせて欲しいというのだ。
有毒廃棄物である事を知ったリックは断ろうとするが、交渉中に突如ゲリラが襲来!!!!
ジムは生死不明となり、リックは有毒廃棄物を河に流した罪で国外退去処分されてしまう!!!!
一年後、職も名誉も失い自暴自棄になっていたリック。
彼の前に政府の男デュポンが現われ、東ザンベジで幾つかの有毒廃棄物が未だに行方不明なので、反政府ゲリラの勢力圏で生き延びていた廃棄物の居場所を知る男、ジムを見つけ出して欲しいという依頼を受ける。
リックは自身をハメた男ジムを見つけ出し、汚名を晴らす為に依頼を引き受ける。
汚染物質の専門家キム・ウッズ博士とタッグを組み、ゲリラの跋扈する危険地帯へ向かうが…。
陰謀に巻き込まれ汚名を着せられた鉱山技師が、汚名を晴らす為に巨大な敵に挑む、サスペンス・アクション映画。
ぬいまげことヌー・イメージ(Nu Image)制作のテレビ映画。
主演は「タイタニック」等のビリー・ゼイン氏で、脇役に「アイアンマン」シリーズや「オッペンハイマー」等のロバート・ダウニー・Jr氏。悪役にケイリー=ヒロユキ・タガワ氏という豪華な面子が揃っています。
ビリー・ゼインさんやケイリー=ヒロユキ・タガワさんはよく見る人達ですが、まさかぬいまげ制作のドンパチ映画にロバート・ダウニー・Jrさんが出ていたとはなぁ。
(まだこの頃は薬物に依存していた時期だけど。)
最近では原爆の父を描いた「オッペンハイマー」に出演していたダウニー・Jrさんが、本作では核廃棄物質を持って来た男として描かれてるのは興味深い。
(単なる偶然だろうけどw)
ストーリーは「汚名を着せられた男が汚名を濯ぐために行動を開始するが、その裏には悪の陰謀が働いていて…。」という内容。
話はテレビ映画としてはそれなりに捻りつつもスッキリ纏まっており、(ちょくちょくツッコミ所はあるが)とりあえず90分台の尺を退屈せずに見れる仕上がり。
主人公は王道なヒーロー気質で、悪役は如何にもなイヤーな連中で、登場人物は捻りこそないものの分かりやすい。
(日本語吹き替えの出来も良い。)
ヒロインは最初はイヤーな雰囲気だったが、主人公の疑いが晴れてからはすっかりいい子にチェンジして一安心。
ヌー・イメージ制作にしては物語やアクションのスケールは大きめで、BGMもちゃんとしており作りが豪華。
テレビ映画的な場面はちょいちょいあるけど、基本的に舞台が目まぐるしく変わりながら物語が描かれるので、ショボさは感じない。
アクション描写はベタ&シンプルで捻りや目新しさはないが、銃撃戦に火薬爆破、ステゴロ殴り合い、スタントマン大活躍と、火薬系ドンパチアクションに必要な要素をしっかり完備。
冒頭からコマンド映画張りの大ドンパチに始まり、その後もあちこちで様々なアクションが展開。
銃撃戦に手榴弾爆破にステゴロ喧嘩、カークラッシュにビルや滝からのダイブ等、火薬とスタントマンが大活躍。
クライマックスでは敵軍の暴走列車を舞台とした大規模なアクションが展開!!!
馬に乗って敵軍の列車と銃撃戦!!!敵の列車に乗り込んでドンパチし、敵ボスとタイマンバトル!!!そしてお約束の大爆発〆と間一髪の脱出劇と、正に「アクション映画!!」と言わんばかりの壮絶クライマックスで大満足でした。
主演のビリー・ゼインさんや悪役のケイリー=ヒロユキ・タガワさんも、しっかり身体を張って頑張っています。
(ただ2人とも本職の格闘アクション俳優じゃないので、殴り合いの出来はフツーだが。w)
ドンパチ満載、キャストもロケーションも豪華、物語手堅く纏まっていると、全体的な完成度はかなりの物。
だが、ドンパチ描写も物語の内容も全体的に”想定の範囲内”で収まってしまっているのが惜しまれるところ。
敵ボスや事の真相はすぐ分かるので話の深みとかは無いし、ダイビングスタントや幾つかの大爆発は迫力あるけど、銃撃描写も爆破描写も”アクション映画の基礎基本レベル”止まりで済んでしまうのは、やはりB級テレビ映画故の練り込み不足が原因か。
…本来ならこういうテレビ用の作品でも火薬ドンパチや銃撃戦が描かれてるだけでも喜ばしい事なんですけどね。
今ではテレビ映画どころか、ハリウッドの大作アクション映画ですら描かれるかどうか怪しいラインになってしまったから…。
(核爆発を火薬で再現した映画や、ジョージ・ミラー監督やデビッド・リーチ監督の新作が公開予定なので、完全に出来なくなったわけではなさそうだが。
これからはCG便りのアクション映画より火薬と筋肉と兵器類とスタントメインのアクション映画が流行って欲しい物だ。懐古厨呼ばわりされそうだが。)
…最後の最後思いっきり話が逸れてしまったが(汗)、テレビ用&ヌー・イメージ(Nu Image)制作のB級アクションとしては十分鑑賞に耐えうるレベルなので、暇つぶしに見れば十分楽しめると思いまする。
少なくとも火薬のドンパチ好きな方なら、見て損はしないとは思うのであまり期待しないでどうぞ。