第3逃亡者

十字路の夜の第3逃亡者のレビュー・感想・評価

十字路の夜(1932年製作の映画)
5.0
最高、これはほぼゴダール、ゴダールは自作の中でかつてのこの映画のような撮り方を取り戻すべく真似していたのではなかろうか(この手のほとんどの映画はアメリカ映画になってしまうから)、いずれにせよ演出家にとって勇気を与えられる映画に間違いない。状況を説明するのでなく室内と街頭を接触させるためのクロスカッティングが素晴らしき放浪者の本屋とセーヌ(蓮實「ルノワール的痕跡都市」)をさらに押し進めて連発して凄まじく音声もけたたましさが凄まじくエルゼのエロさも凄まじい。エルゼがメグレと窓の間に立ち塞がる瞬間のエモーション。カールがどうして彼女(悪女)を愛しているかそんなことは語らずともどうでもよくて彼のつき従う姿、ベッドに横たわり名前を呼ぶ姿を見ればそれで十分である