十字路の夜の作品情報・感想・評価

十字路の夜1932年製作の映画)

La nuit du carrefour

製作国:

上映時間:75分

3.9

「十字路の夜」に投稿された感想・評価

イシ

イシの感想・評価

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ルノワールのメグレ警部ものドラマ。
特別な驚きはなかったけれど普通にみることができたことに癒された。
作家性を求めて見るとがっかり感つよいかも~。
wtnbmgh

wtnbmghの感想・評価

3.2
ルノワールによる品の良い演出冴え渡るフィルム・ノワールなミステリ映画。
メグレ警視シリーズは映像化されても、それぞれに個性あるので貴重だと思う。まるでドクトルマブセのシリーズの様に。
購入ソフトにて初鑑賞。
都合がつかず、劇場鑑賞出来なかった作品。

ブロードウェイさんから発売されている『ランジュ氏の犯罪』はフィルム・ノワールとは言い難い作品(秀作です)でしたが、同発売元のこちらの作品はフィルム・ノワール感満載。
フィルムの欠落など全く気にならない仕上がりです。
ルノワールの作品群で唯一の本格的な犯罪映画ではないのでしょうか。

弟ジャンの作品2度目の出演にして主演のピエール・ルノワール。
ノワールにもってこい面構えが堪りません(犯人、刑事どちらでもイケる)。

犯罪映画においてもルノワールの演出は冴えわたっています。
・まずは専売特許でもある売店(ローアングルのカメラが客の足元だけを写し出し、売り子と客との会話が聞こえます)の前の排水溝に流れる水と洗面所のコップに溜まる水(音もしっかり聞こえます)
・聴取を取る刑事と記録係それぞれの交代
・取調室がタバコの煙(だんだんと曇っていきます)
・新聞記事の内容と捨てられる新聞
これら全ての要素で時間の経過と捜査の進み具合を表現。

その他にも、おぉ~と唸る演出が随所に散在しているのですが、中でも驚かされるのが数々のナイトシーン。
いや~素晴らしいの一言。
書いていくとネタバレになり兼ねないので、実際にご覧になって確かめてみて下さい。

明らかに誤認逮捕であることはわかるのですが、真犯人には驚かされます。
結構な大どんでん返し劇です。

ラストシーン男の一途な愛に包まれて間違いなく更生するであろう女に対して情をかけるとある粋な演出には痺れます。

全編を通して途切れることく持続するただならぬ雰囲気は、秀逸な演出の妙に尽きるでしょう。
この作品もまた紛れもなく傑作の一つだと思います。

こんな監督の助監を何年も続けていれば、
『肉体の冠』
『現金に手を出すな』
『モンパルナスの灯』
『穴』
…等の秀・傑作を作り上げても何の不思議もありません♪
イワシ

イワシの感想・評価

5.0
ジョルジュ・シムノンによる『メグレ警部』シリーズの一編『深夜の十字路』を、ジャン・ルノワールが映画化したこの作品は、フィルム・ノワールという言葉が誕生以前の1932年に製作されながら、まさしくフィルム・ノワールにつきものの、深い闇と、退廃的な人格の美女、全容の知れない曖昧とした犯罪が全編を支配している。ルノワール作品におなじみの「水」のイメージは、雨の煙幕として機能し、やがて流れゆく水の流動性が捕らえどころのなさ、曖昧さを強調するだろう(映画の比較的始めの方で、事件を報じる新聞が雨に洗われ、道路の片隅で皺くちゃになる、というイメージがある。世間の関心が失せた後、メグレは「個人的」な興味をもって、事件を捜査しなければならない、ということか?)。曖昧さは、ヴィナ・ヴィンフリートが演じる「運命の女」エルゼにも当てはまる。あまたのフィルム・ノワールがそうであるように(またルノワールの映画でそうであるように)、エルゼもまた肉感に豊かな美女であるのだが、その白い喉から発せられる声は、どう聞いても年端の行かない少女のものなのだ。トーキーの技術が発展するなかで生まれた、この「運命の女」像にはシビれた。銃撃者の黒い影と地面に倒れる未亡人の白い顔が連鎖するショットの鮮烈さ、車載したカメラの視点からのワンカットでのカーチェイス(『エンド・オブ・ウォッチ』のようなPOV映画で再現したら、どんな映像になるんだろう?)なども素晴らしかった。