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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのnaoのレビュー・感想・評価

5.0
本史を異なる視点から見つめる、新鮮な描き方に感動した。スターウォーズ作品の中でも最高傑作だ。

スピンオフ作品ながら傑作と言われるのは今までにスポットライトが当てられていなかった、「影の立役者」が活躍するから。

本作では、銀河全体で見れば少数派である、ジェダイやシスといった特殊な力を持つ人物ではなく、帝国の圧政下でも逞しく生き抜いてきた人々が描かれる。その代表として選ばれたのが主人公ジン•アーソ。彼女は幼い頃に両親と別離、引き取り手のソウ•ゲレラからも捨てられたという過去がある。それゆえに自ら鍛え上げた護身術を盾にして、人を信用することはないし、様々な犯罪にも手を染めてきた。それがオリジナルやプリクエルと異なる点だ。

本史ではジェダイが活躍、正義の象徴であるライトセーバーを振りかざし悪を倒していく。ハリウッド映画によく観られる、単純な二項対立の構造だ。本作は違っていてキャシアン•アンドーの存在で反乱軍の影の面が浮き彫りになる。彼は幼い頃から訓練を受け、反乱軍の大義のため殺しや犯罪に手を染めてきた人物だ。

キャシアンが言う” Rebellions are built on hope.”という台詞が印象深い。

オリジナルへのオマージュも込められているのにわざとらしくない。スターウォーズファン以外も引き込んだ普遍性に感動した。
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