あんがすざろっく

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

4.0
2015年の「フォースの覚醒」公開から、いよいよ本格的に再起動した「スターウォーズ」シリーズ。それまで長きに渡って語り継がれてきたルークやアナキンの物語から一歩踏み出し、次の世代へとバトンタッチされたEP7も見事な出来であったが、今回の「ローグワン」は、スピンオフであり、決定的に似て非なるものになっている。
まずはキャラクターの一新。まぁ「あの人達」は出てくる訳だが、「ローグワン」を「ローグワン」たらしめているのは、「フォースの存在」だ。
台詞の中でこそ「フォースと共にあらんことを」と語られるが、今回フォースの使い手は只一人で、その彼も終盤にかかって登場するくらいだ。
フォースの力を目に出来るのは、ほんの数分。
では、本作で語られるフォース、主人公達が口にするフォースとは何か。
それは、何かを信じる心、心の拠り所となるものだ。
フォースの実体が不在でありながら、それが却って「スターウォーズ」で描かれたきた「フォース」という力の奥深さを感じるものになっており、「ローグワン」の魅力になっている。
もう一つ、「ローグワン」が素晴らしかったのは、クライマックスの戦闘シーンだろう。それまでCGを駆使した空中戦、フォースのぶつかり合いが特徴的だったシリーズ、確かに今回もX-ウィングやタイ・ファイターが飛び回る迫力は、やはりこれがスターウォーズであることを再認識させてくれる訳だが、特筆は地上戦だ。
ビーチで繰り広げられる戦いは、さながら戦争映画のようで、この映画が、「普通の人間達」が、その不屈の精神と勇気で、勝利を勝ち取る物語であることを実感させてくれる。そして映画の幕引き。スターウォーズの冠を戴きながら、スターウォーズとは全く異なるという離れ業をやってのけている。
にしても、ドニー・イェンのカッコ良いこと‼︎
日本で言えば、彼は侍だ。
ドロイドのK2も実に魅力的に描かれており、全てのキャラクターがしっかりと役割を果たしている。
何の力も持たない、愚連隊の命懸けの特攻があったからこそ、宇宙に新たなる希望がもたらされたのだ。
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