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おろちのmのレビュー・感想・評価

おろち(2008年製作の映画)
4.7
久々に観ながら、なんで昔劇場で観た時あんなに気に入ったのかなと思ってたらそうそうそうそう、劇中の谷村美月の台詞を借りると『本当に恐ろしい結末』、この最悪の邪悪な(そして人間臭くて哀しい)ラストがあったからだと思い出した。
楳図ワールドと高橋洋ワールドが魔合体した常人の思考の範疇を超える狂気の脚本をそれでもしっかり地に足着けさせて観客を引き込んでいるのは、鶴田法男監督のクラシカルで堂々とした演出力の高さと撮影の良さ。

浮世離れしたフィクショナルな強度が必要とされる役柄になると木村佳乃はやはり圧倒的にハマる。「カナリア」からこの頃辺りの谷村美月には何か映画を背負えるようなものがあった。そして中越典子はキャリア随一と言って良い程に美しく撮られていて、尚且つ素晴らしい演技。

柴田淳の曲も良い具合に合っていて、キッツい余韻を深めてくれます。
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