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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破のGTのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

 「序」は概ねテレビシリーズと同じ展開だったが、今作「破」では展開に明確な違いが齎される。
 冒頭からして見慣れない。エヴァンゲリオン五号機が損失したという話自体はアニメシリーズでもちらっと触れていたような記憶があるが、そのシーンで映画は開始する。新キャラクターの「マリ」が五号機のパイロットとして登場。かなり飄々とした性格をしており、それぞれ弱みを抱え葛藤を繰り返すエヴァンゲリオンの中においては、かなり浮いているようにも見える。
 テレビ版19話までが元になっており、概ね話としては一緒だが、「序」と違ってテレビ版と描写が全然違う。出てくる使徒のデザインも大きく変更されている。アニメ技術の向上の賜物なのか、とにかくスタイリッシュでかっこいい分、テレビ版にあった、あのドロドロとした血生臭さは、ここでは少しく損なわれている印象。あと、アスカも綾波もシンジにお弁当を振る舞うよう密かに奮闘するなど、かなり角が取れて丸くなっていた。
 後半の方は展開がガラリと変わる。エヴァ3号機に乗るのは、テレビ版ではシンジの友人であるトウジだが、ここではアスカに変更。そしてラストでは、綾波を取り込んだ使徒をシンジが助け、「ニア・サードインパクト」が起き人類に大きな打撃が起きてしまうことを示唆する。「翼をくたさい」がそのシーンで流れることは、あまりにも有名だ。「暗いシーンであえて明るいBGMを流す」演出は、シリーズ通して行われている。
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