ろーたす

僕と世界の方程式のろーたすのレビュー・感想・評価

僕と世界の方程式(2014年製作の映画)
4.5
映像、音楽、役者、ストーリー。
もう自分の中で満点評価です。
(ですが観終わってから、登場人物の個性や関係性について解釈するのに結構時間を使ったため、スコアは4.5で。
Avengersの様な大興奮はしないし、イーストウッド作品のような感動とも違うけれど、素敵だと思えた。
サリーホーキンスえぐいわ。
バターフィールド激推し。




*以下、ネタバレ含む解釈です。*



数学オリンピックの合宿で、ネイサンが指名される。それに戸惑いながらも答える事が出来た=コミュニケーションの壁を乗り越える。

同じくして、マーティンも拒んでいたグループディスカッションに参加し、自分の心内を話す=同じく乗り越える。

ネイサンとマーティンの、コミュニケーションが取れない共通点。主人公とマーティンが同一化した存在として映画を観ていく事が出来る。
そして、このタイミングでその壁を乗り越える。

自閉症でも、数学的な天才的発想ができるなら、それを伸ばせばいい。という評価により生きてきたのが合宿におけるネイサンのライバル兼ルームメイトのルーク。
自信を持ってきた才能、能力に対してあなたの才能はそう特別なものではない。と突きつけられる瞬間。自分より上がいると知る瞬間がある。
普通の人は、夢を諦めて道を外れたり、知った上でその道で生きていく事が出来るかも知れない。(気持ちの踏ん切り
でも、それ以外の価値を見出されてない、教わってなかった人は?
=死んだオウム🦜。
オウムだったものだ!はルーク自身を指していた。

ネイサンとチャンメイの恋愛に対して、マーティンとジュリーは大人の恋愛。病気を抱えながら恋愛をする恐怖を描いている。
でもそれは男性側(病気を抱えている人サイド)の心配であり、相手はそれでも愛している。病気はそこまで進展した愛を阻む理由にならない。

ジュリーがネイサンに注ぐ無償の愛。
ネイサンの機嫌を損ねた時に見せる、ジュリーの驚きや悲しみが混ざった表情。頭に凄く残る。
子どもを愛する母親って凄いな。もう覚悟や苦労の桁が違う。
そしてサリーホーキンスの演技がもうめちゃくちゃに上手い。その演技の違和感のなさに、映画を通してジュリーとしての純粋な印象だけが残る。他作品をまだほとんど見れてないけれど、 この人はそこの人物として溶け込んでいるんだと思う。

ネイサン、チャンメイ、マーティン、ジュリー。この主要人物4人のそれぞれの関係、対比が本当に上手く出来ていて、観る人によって強く残る印象が違ってくるんだと思う。
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