ユンファ

インデペンデンス・デイ:リサージェンスのユンファのレビュー・感想・評価

3.5
「インデペンデンス・デイ」は、間違いなく名作だ。
最高に馬鹿馬鹿しくて、熱くて、かっこよくて、スカッとして、泣ける。娯楽としての映画のあるべきカタチを教えてくれた、忘れ難い作品だった。
けれど、20年ぶりの続編となる本作の予告を見た時、オレは激しい不安に駆られた。ダークな映像と、宇宙船を軽々と操縦する地球人たちの姿に、前作のような熱さや馬鹿馬鹿しさが感じられなかったからだ。

結果として、残念ながら前作のような熱さは最後まで感じられなかった。
ストーリー上、人類は宇宙人のテクノロジーを既に手にしてしまっているため、前作ほど圧倒的に不利な状況に立たされることはない。20年ぶりのメインキャスト集結は嬉しい反面、前回の未曾有の危機を乗り切ってしまった彼らにとって、2度目となる今回の宇宙人襲来には、経験者の余裕すら感じる。
人類全体も既に一致団結しており、それぞれの人物の抱えるドラマも薄っぺらいため、重要人物の死の場面においてさえ、こちらの心が動かされることはない。
新たに登場するキャラクターたちも描写が不十分で、何がしたいのかサッパリ分からない。
また、CG技術の発達により、ビッグバジェットのディザスタームービーや宇宙人侵略映画がこの20年腐るほど作られたため、デカい宇宙船や崩壊する都市なんて映像は見飽きている。特に重力操作はウルトロン様がやったばかりなので、二番煎じ感が凄い。
宇宙人の造形もありきたりだし、あのお方の特攻もアッサリ過ぎてとても受け入れられない。

IMAXにも関わらず、少しウトウトしてしまい、前作のように涙を流すようなこともなければ、再三書いているように、熱くなることもなかった。
ただ、一つだけ前作より本作の方がずば抜けていることがある。
「リサージェンス」は、前作の2億倍くらいバカな映画なのだ!!
「インデペンデンス・デイ」の続編としてはイマイチのれないが、2億ドルかけた午後ロー(或いはアサイラム映画)だと思えば、メチャクチャ楽しい。
想像してみてほしい。2億ドルかけた「シャークネード」、2億ドルかけた「トランスモーファー」、2億ドルかけた「デイアフター2020首都大凍結」、どう考えても正気じゃない!
そんな映画がこの「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」だ!!
何せシナリオが完全にアサイラムレベルなので、2分に1回くらい信じられない展開がやって来る。
クライマックスに至っては、映画の限界に挑戦するかのごときツッコミどころのつるべ打ち。
「こいつら人類はどーしたら死ぬんだよ!てか、アレどー見ても白いG◯◯◯Zじゃねえか!お前らホモだったのかよ!スクールバス!え、生きてんのかよ!スクールバス!エースパイロットってレベルじゃねえぞ!おい、スクールバス!!」
みたいな感じになり、かなり楽しい。
ちなみに字幕は戸田奈津子大先生だが、案外普通なので、「エイリアン」という単語は全て「タコ野郎」に脳内変換しながら鑑賞することをオススメする。
さあ、タコ野郎のケツを蹴っ飛ばしに行こうぜえええええ!!!
ユンファ

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