ざわ

インデペンデンス・デイ:リサージェンスのざわのネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

インデペンスデイ・リサージェンス
TOHOシネマズ府中にて視聴。
前情報にて、あまり評判がよくないのは聞いていたので席の入り具合には一物の不安を抱えていたが、日曜の午後ということもあって予約なしでは好きな席に座れなさそうな印象で少し安心。

 まず、今作の良かった点を書こうと思う。
最初に書くべきはやはり圧倒的映像美というやつか。スタッフロールの最後に「いろんな職種の人が頑張って作りました」みたいなテロップが出ていた気がするが、
やはりそれだけの人材を使っただけはある、そういえる映像に仕上がっていた。宇宙人様の母船がこじ開けるように大気圏突入するシーンのパーティクルの量なんか凄まじいはずだし、戦闘機シーンなんかも何百という機体がびゅんびゅん飛び回る。CGIの進化は20年あってこそだ。

では次に私が気になった点について。
 前作インデペンスデイが売れた理由の一つに(あまり前作との比較はしない方がいいのかもしれないが同じ監督ということで )、映画内の年月日と現実(公開当時)の年月日を合わせた ことがある思う。
現実世界とリンクさせることにより物語にリアリティが増し、深みもでる。
独立記念日は宇宙人を追い返した日だ!なんて燃えない訳がない。
さて、今作も前作同様、映画内と現実の時間軸をある程度合わせてきている。
1作目から20年経ち、また宇宙人が襲ってきたよという話だ。
しかしいくら時間軸が同じでも、映画内の人たちはどうみても"近未来"な武器を使っている。
どうやら20年前にきた宇宙人の技術をいただいたらしい。
月面基地なんかももってて、同じ2016年の人間には見えない。
上記したように、このシリーズの良さは映画内と現実をリンクさせることによるストーリー深煎りなのだが、それが一切なくなっている!どうしても"SFを観ている感"が心の隅に残ってしまう。
しかもその設定を生かしきれてない!!!エイリアンの銃を軍だったり部族が使っているのだが、
ほぼ空気、活躍するのは本編中20秒くらい。
反重力で飛ぶ戦闘機も出てきたけど、結局ラスボス戦で使ったのは敵母船からくすねてきたUFO。なんでやねん。
 次にいいたいの は、迫力を出そうとしたあまりそれが逆効果になってしまった印象があるということだ。
前作は、いわゆる東京ドーム~個分規模のほどよい大きさな宇宙船が主要都市にきた。
でかいながらも画面への収まりも良く、ホワイトハウスレーザー前の沈黙なんて圧迫感、恐怖ともにすばらしかった。
しかし今回の宇宙船はあまりにも大きすぎ、基本的に映っていたのはある壁面のみだったり着陸用の足のみだったりと全体像がわかりにくい。(一応全体映した画もあった)
ともかく、「ああ、大きいな」といった印象しか受けなかった。
 そして、CGIにばかり力をいれすぎたせいか、肝心のストーリー部分が薄すぎる。
主人公と仲違いする黒人も、主人公と付き合ってる元大統領娘も、資本の関係で入ってきた中国人娘も、どうもキャラが薄い。
3DCGのUFO等は優秀だったが、キャラクターは皆2D並みの薄さだった。
 また、今作には別の星から助けにきてくれる種族がいるのだが、ソイツもよくわからない。
技術力を提供しにきました、みたいな感じなのに地球訪問が明らかに遅すぎる。
仮に技術を与えられたとしても、生産が始まる前にエイリアンに襲われるのは間違いなかっただろう。
結局戦闘中は人間達に守ってもらいっぱなしだったし。
しかも最後には、「ニンゲンを見直した。僕らの指揮をしてくれ」とな。
何のために君たちはこの作品に出たのか。この子は必要だったのかと小一時間問いつめたい。

と、まだまだ色々言いたい事はあるのだが、頭を空っぽにして観られるエンターテインメント作品としてはよくできているといえよう。
ざわ

ざわ