Angeprunelle

ヒメアノ〜ルのAngeprunelleのネタバレレビュー・内容・結末

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

胸を噛みちぎられる程の切なさが
襲いかかってくるバイオレンスサスペンス。

怪物を作り出すのは誰なのか。
人の道を踏み外すまでの絶望を抱かせたのは誰なのか。

いじめっ子は人をイジメて何を得たいのか。
何に飢えているのか。

狂ってるのは間違いなく森田だ。

けど狂わせたのは善人顔した
物言わぬ多数派かもしれない。

岡田はまともな人間に見える。
実際なんだかんだでそれなりに
上手く世の中を渡っていけるのも岡田みたいな人間だ。

物言わぬ多数派は大抵の場合
裁かれない傷つかない損しない。

世の中を騒がすのはいつもマイノリティーだけれど
世の中の悲劇を生み出すのはいつもマジョリティー。

悪いのはいじめっ子。
狂ってるのは森田。
弱虫は岡田。

岡田を減らせば死ぬほど苦しむ人間も
狂ってしまう人間も今よりは確実に減る。

この作品の主役は一番控えめに映る岡田であり
マジョリティーに対してイエローカードを提示している作品だと思う。

既にイエロー、次はレッド(死)だと言う現実に本気で向き合うか
他人事とスルーするか。
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