全身に力と熱が入り画面にかじりつくように見ていたわたしの目からはこれまた熱い涙が溢れていた…。
感情の中で1番エネルギーが強い"怒り"。一方的にしか働かないその感情はエネルギーが強い分、それのみを動力とすればどんな形であれいつか身を滅ぼしてしまう。
最愛の人を失うという一番辛く悲しい形で代償を負ってしまった1人のボクサー。全てを失ったかのように思われた彼が自分を見つめ直し、ジムオーナーと共に愛する娘を守るためにもがき再生していく…。そして再び掴み取った何にも変えがたい愛という感情。1人の人間として、ボクサーとして、そして父親として過去の自分に姿に打ち勝った彼の姿に胸が熱くなり涙した。自分を守るということも愛する人を守るということなのだと気付かせてくれた妻と娘の愛にも心温まる。
ジェイクギレンホール主演で一番好きな作品に出逢えた感…。人間離れしたかのような鍛え上げられた肉体と強さ、こちらが本物のように思えるほどのリアリティ。強さの裏にある人間の内面の繊細で脆い部分の演技は圧巻、役者魂にノックアウトでした。
