スターを夢見るファニー・ブライス(バーブラ・ストライサンド)は、才能と度胸によってジーグフェルド・フォリーズの人気者になる。そして、賭博士のニック(オマー・シャリフ)と恋に落ちるが、次第に彼女の名声の影でニックは苦しむようになる。
ミュージカル映画だけど、かなりシリアスな夫婦愛のドラマだった。
せっかく舞台ではなく映画なので、伝記的にファニー・ブライスの幼少期とかを描いても面白そうだなーとは思った。
妻の成功の影で、苦悩する夫という設定は「セント・マーティンの小径」「スタア誕生」「アーティスト」などを思い出したけど、落ちぶれていくニック役のオマー・シャリフは、さすがに重厚な悲壮感を見せてくれている。
ファニーは一緒にいてはニックを苦しめ誇りを失わせるだけだし、自分も舞台を捨てることはできないと気付いたんだろう。終盤はなかなか切なかった。
映画の豪華さとしては「ハロー・ドーリー! 」ほどでないけど、オープニングの “Hello, gorgeous” と語り掛けるストライザンドはやっぱりゴージャス!
そして、裁判を終え、これからを話し合うときのストライザンドの、抑えに抑えて、おどけて見せる演技が素晴らしい。
フィナーレの熱唱にも圧倒された。
「巨星ジーグフェルド」「ジーグフェルド・フォリーズ」と映像化されることの多いジーグフェルドが、嘘みたいないい人に描かれてた。笑