真魚八重子

コスモスの真魚八重子のレビュー・感想・評価

コスモス(2015年製作の映画)
4.5
ゴンブローヴィッチの『コスモス』の映画化。原作も素早い思考の断片の集積なので、この世界観で全然違和感はない。ズラウスキの狂騒的でとっちらかった演出は、むしろ原作に忠実。ラストの一行までちゃんと再現している。
宙吊りにされた鳥や木片などの出来事を、全部関連付けて考えずにいられなくなってしまう、偏執狂的探偵モノでもある。これがどうしてもアレックス・コックスの『デス&コンパス』を思い出しちゃう。
ズラウスキの美意識の変わらなさ。コメディタッチな演出と、最後にメイキングまで添えるお愛想に、微笑ましい最後の作品として好印象に満ち溢れる。
真魚八重子

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