最期の傑作「Back to Black」がリリースされた当時、日本のレーベルが「激女。まさに女エミネム」などと、今思えば「?」な売り出し方をしていたことを懐かしく思い出す
この映画の主役は、激女でも女エミネムでも世界的スターでもグラミー賞歌手でもヤク中でもアル中でもなく、音楽だけが生き甲斐の、普通の女の子だ
「AMY」はそんな普通の女の子の生涯をなぞっただけのありきたりなドキュメンタリーではなく、Back to Black以降、普通の女の子ではなくなってしまったエイミー・ワインハウスの「崩壊」にフォーカスを当てている、もはや告発のような映画だった
それだけに、後半は
観ているのが本当に辛かった
エイミーの命を削った犯人探しをいまさらしても仕方がないし、もっと何枚も何枚も新しいアルバムを聴きたかったと言うのは勝手な話
突然の訃報から、早5年
"汚れた戦いを終えた"エイミーが、決して"負け試合ではない愛"を知ったことを願って
たった30分で幕を閉じるこの暗い暗いアルバムを、これからも聴き続けよう