感情を取り戻す

ラ・ラ・ランドの感情を取り戻すのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

最高でした。

【泣いた①】
セブはキースのバンドに加わり多忙の身となった。セブに会えない日々が続いていたミアは寂しさを募らせていた。そんな折、家に帰るとそこにはサプライズを用意したセブの姿が。久しぶりの再会で二人の会話に花が咲く…かと思いきや、認識のすれ違いから言い争いに発展してしまう。

セブが嫌々ながらもキースのバンドに加入しようと決めたのは、定職に就いてミアとその母を安心させようと思ったからであったが、その認識は彼女にはなかった。そんなミアの言葉はセブを苛立たせ、口論は激しさを増し、最後に彼は言い放つ。

「君は優越感のために不遇の俺を愛した」

辛い…辛いなぁ……
そんなこと言うなよなぁ…頼むから……

「冗談だよね…?」

「本気だ」

本気ちゃうやろ…?口に任せて言ってしまっただけやろ…?
このときのミアの心情が、表情が、辛くって辛くって…。涙です。

【泣いた②】
舞台でミアを観たというディレクターが彼女をオーディションに招く。ミアはそこで独唱する。

今まで受けたオーディションでは審査員ににべもない態度を取られ、自ら脚本を手がけた一人の舞台は空席ばかりで大根役者と陰口を叩かれる始末。精神的に追い詰められていた彼女だが、セブの励ましに応え、もう一度オーディションに挑む決意をする。

そんな境遇にいる彼女自身を自ら鼓舞するような、慰めるような、そんな歌詞。

どうか乾杯を 夢追い人に
たとえ愚かに見えたとしても
どうか乾杯を 心の痛みに
どうか乾杯を厄介な私たちに

この歌詞がすごく良くて、歌ってるミアの表情見たらね、もう涙涙です。

【心震えた】
まさかの五年後よ。オイオイオイオイ。
知らんやつとくっついてるやん!!
セブちゃうんかいと。秒速5cmなんかいと。いやしかしそこはアカデミー賞を総ナメにしたこの作品。二人の邂逅のシーンが素晴らしかった。

ミアと旦那は目的地に車で向かう途中、渋滞に巻き込まれてしまう。先に夕食にしようと車を降り適当な店に入るが、なんとそこはセブが開いたジャズクラブ。

MCのセブは観客の中にいるミアと目が合い、彼女とすぐに認識する。
次はセブのピアノソロ。選んだ曲は二人の出会いの曲。ゆっくりと弾き始めたセブとそれに耳を傾けるミア。二人だけを残して周りは暗闇に包まれる。そして曲を弾き終えたセブは勢いよく立ち上がるが、そこは五年前、二人が出会ったジャズバーの情景に様変わりしていた。

ここめちゃ好きです。うおおおおっ!!ってなりました。こっからあり得たかもしれないもう一つの未来がミュージカルで始まるのが楽しくもあり、切なくもあり…。

そして最後、ミアが店を出る前に振り返り、セブも彼女に視線を合わせる。

ここも良い。短くもなく長過ぎるわけでもなく、ちょうどいい時間。
切ないんですけどね、切ないんですけど、でもセブにはネチネチした未練はなさそうなんですよね。ずっと彼女を思い続けて辛かったとか、彼女と別れたのを物凄い後悔してるとか、そういう暗めの感情というのはなさそうな感じ。すごい良い恋愛したな、みたいなサッパリポジティブな感覚でいる気がしました。

【最後に】
いやもうね感動です。後半はだいたい泣いてた。もう一度観たいと思える作品!映画館で観たいなー!