このレビューはネタバレを含みます
色使いがすんごい。夢の中にいるかのよう。
ジャズについての理解がほんの少し深まった。実に興味深い。
ミュージカル映画に内在する虚構性をむしろ強みとして活かすような演出が多い。冒頭のハイウェイでのシーンやプラネタリウムでのシーン等。
タップダンスやジャズのみで構成されたシーンが多くあるが、これにはハッとさせられた。そうよな、ミュージックって歌だけじゃないもんな。「歌わないミュージカル」は語義矛盾ではないんだよな。
夢追物語。THEハリウッド的テーマ。
その中でも特に、ジャズを如何にして救うかっていうアクチュアルな問題や、伝統を守るためには伝統に固執してはいけないっていうこれまたアクチュアルなジレンマ等も描かれていて、内容的な深みも十分。
夢を追う同志として、お互いに正し合い励まし合う。そしてそれこそが2人が別々の道を歩むことを決定づけてしまう。
ここだけ見れば悲劇的な筋なんだけど、最後の2人の頷き合いがハッピーエンドであることを証明している。普通の作品なら「秋」チャプターで止めてるて。
ところで、無性にグラセフやりたくなるね。