このレビューはネタバレを含みます
とても素晴らしい映画でした。
色使い、セリフ、演技、そして歌。
ライアン・ゴズリング、エマ・ストーンの歌はとても美しく、劇中で歌われるものには全て何となく物悲しさを感じました。
主演2人がタップシューズを履いてのあのダンスのシーンは鳥肌が立ちました。ダンスも勿論ですが、2人の一連の動きの中で、ポスターにあの一瞬を選んだんだと思うと溜め息しか出ません。
時折映るエマ・ストーンのアップの度に瞳の大きさに遠近感が無くなりそうでした。
素敵な映画だとは思いましたが展開は決して楽しいものでは無かったですね。
やっぱり夢追い人は一緒に幸せになって欲しい。ただ、そうならない結果がこの映画の良いところなんだと思います。
何がなんでも叶えたい夢は何を犠牲にしても叶えないと。
おばの思い出を歌ったシーンがありましたが、あの時には彼女はもう未来を見据えていたのかも知れない、と思いました。
この歌が一番好きです。
2人は恋人としては最適かも知れませんが、人生のパートナーとしては最悪でした。
セブはミアのことを考えるとジャズのバーなんて博打みたいなことは出来ないし、ミアだって女優の勉強をしたくてもセブのサポートをしていたら手が回りません。
別れるべくして別れた2人です。
最後の回想は完全なる夢ですね。幸せなところしか見えないのが尚のこと悲しいです。
金が許せば、機会があれば、全ての幸運が2人に降りかかれば、あったかも知れない未来。
けれどそれは手に入れられなかったんです。
それよりも大事にしたいものが「夢」だったんですね。
何度思い出しても素晴らしい映画でした。
ただ、如何せんハードルが上がりすぎた。
私の感受性が乏しいのかも知れませんが、もっと印象的な曲と、感情が欲しかった。
受賞歴など何も知らない段階で見たかった。