tomorrowkey

インクレディブル・ファミリーのtomorrowkeyのレビュー・感想・評価

5.0
最初から最後まで、余すところなく楽しめる作品でした。

前作は、ミスターインクレディブルことボブを主軸にしたストーリーであり、彼の再起と、それに応じて生じた周囲の変化がメインに描かれていたと思います。

今回は、タイトルにもあるように、家族がテーマになっています。個人的にですが、家族というのは、仲間と言い換えても良いと思いました。ファミリーは、色々と意味があると思うので。

というのも、今回はボブのヒーローとしての活躍が控えめになっています。その代わりに、父親としての活躍が多く描かれます。彼なりの努力や、家族に対する思いが色々と見れて、そういう意味ではヒーロー(父親)でした。

反対に、今回、ヒーローとしての活躍が目立っていたのが、イラスティガールことヘレンでした。前作では、主に母親としての姿が多く描かれていました。ヒーローとしての活躍もありましたが、子供達を見守っていた事が多かったと思います。しかし、今回は、子供達の事も気にかけてはいるのですが、彼女が単独で活躍する機会を与えられ、存分に力を振るいます。任務のこなし方や、家族での立場がボブとは対照的に描かれていて良かったです。

そして、子供達であるダッシュ、ヴァイオレット、ジャック・ジャックの3人。彼らの成長が感じられて、より好きになりました。以前までは、力を使いたいダッシュ、内気なヴァイオレット、守られる存在のジャックでした。今回は、子供としてのダッシュ、恋に悩むヴァイオレット、力に目覚めたジャックという感じでした。

ダッシュは、相変わらずダッシュだったのですが、勉強したり、ボブとテレビを見たり、子供らしい一面を多く見れたと思います。

ヴァイオレットは、恋に悩み、その原因がなんなのか、原因がわかってどうなり、ボブの事をどう思うのかなど、感情表現が豊かになっていました。

ジャックは、能力をこれでもかと発揮していました。活躍の場はまだ少なかったですが、これからがより楽しみになりました。

さらに忘れていいけないヒーローをあと一人、フロゾンです。彼も素晴らしい活躍をしてくれます。この作品で、彼を好きになる人も増えるでしょう。

前作では、ボブの友人であり、活躍も、最初と最後の方でありました。
今回は、彼なしでは有り得ないと思うほど、彼が素晴らしかったです。さすが、インクレディブル達と同じ時代を生きたヒーローです。


さて、ざっくりと主要人物を書きましたが、これだけではないのがインクレディブルファミリー。

敵役もかなり魅力的で、悪がちゃんとした目的を持って行動していた。これが良い。ただヒーローを倒したいだけでなく、動機を持って、本懐を成し遂げようとしていた姿が、良い悪役だと思った。

この目的となるものが、前作から続くある事を発端として起きているところも、また素晴らしい。ちゃんとその世界で、キャラクターが生きている。そんな気がした。

また、この作品の監督・脚本であるブラッド・バードさんについてですが、この人は、「なりたい自分になる系」の話を作らせたら、天才だと思います。アイアンジャイアントしかり、インクレディブルしかり、レミーの美味しいレストランしかりです。

そんな監督の、ファミリーの撮り方が、まぁ素晴らしい。なりたい自分になるという事を匂わせつつ、ちゃんと家族として、仲間としての物語が、パシッとハマっている。本当に良い監督だと思う。いつか、マーベルやDCの作品も手掛けて欲しい監督の一人です。

最後に、キャスト陣の演技も大好きです。私は吹き替えで見たのですが、文句なしでした。また、この人達に会えたのだと喜び、新しいキャラクター達も登場し、心が踊りました。

最後の最後に総まとめ!
本当に素晴らしい作品でした。
大好きな映画の1つになりました。
そして、最後まで席を立ってはいけない映画の1つです(笑)。

エンドロールの、しかも歌で楽しませてくれるなんて、粋な心意気でした。是非、最後まで楽しんで欲しい作品です。

以上!終わり!長くなった!
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