ななせ

インクレディブル・ファミリーのななせのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

最高でした。
小さい頃に観た映画の続きを大人になって観られることにまず感動しました。
特にディズニーとピクサーのタイトルロールがインクレディブル仕様になっているところは彼らが帰ってきた!と興奮しました。
物語は前作のラスト直後から始まって進んでいくのですが、CGの進化以外、彼らは14年前と何も変わっておらずエモさを感じて泣きそうに。
今回は母親であるイラスティガールのアクションが多めでしたがバイクアクションと柔軟性を利用した彼女の戦い方もMr.インクレディブルとはまた違ったかっこよさがありました。
家族で見に行ったのですが、Mr.インクレディブルの父親業の悪戦苦闘ぶりにほかの観客の方からの上映中のリアクションも多く子を持つ方々から共感できることばかりだと感じました。「子育てはちゃんとできればヒーロー業と同じくらいの偉業よ」というエドナの何気ない一言と合わせてジーンときます。
前作から引き続きヒーローとしてだけではなく家族の物語でもあると言わんばかりの二部構成(Mr.インクレディブル/イラスティガール視点)はとても見やすかったです。
子供たちの可愛さは言わずもがなで満点です。特に前作よりフィーチャーされてるジャックジャックはかなりチャーミングで魅力的でした。彼の将来が楽しみです。
あとは何より一切退屈の隙のないエンドロールが最高です。メインテーマはもちろん各ヒーローのメインテーマまであってヒーロー好きの方はニヤッとするんじゃないでしょうか。最後まで鑑賞して音楽も楽しんでほしいです。
“家族“の意義を突き詰めた前作と比べると“家族“というより“ヒーロー“とは何か、“正義“とは何かを突き詰めたのかな、と思いました。
このシリーズには愛着があって点数は高めですが、すっきりまとめた前作とは違って今回はいろんなものを詰め込み過ぎて粗い印象を受けました。アニメーションでありながら社会派を極めた内容の濃さも気に入っていたので、“ヒーロー“として動くことが本当に正義なのか、ということについてもっとメッセージ性を強くしてもよかったなあと思いました。ラストがあまりにも綺麗にめでたしめでたし!ちゃんちゃん!という感じで、ああこれでいいの…かな?、と少し腑に落ちない部分もあったので、、、
今回のヴィランであるイヴリンは純粋な悪というよりかは「楽して便利になれるもの(=ヒーローの存在)は無力な人々にとって時に害となる」という彼女なりの正義があったと見受けられました。1回の鑑賞では少し読み取りずらかったので、過去や人となり、兄との関係などをもう少し掘り下げて欲しかったなあとも思います。兄のウィンもただのヒーロー愛好家というよりも終盤の描写から彼なりの正義があると窺えたのでディヴァー兄妹の描写がもう少し欲しかったです。
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