このレビューはネタバレを含みます
イラスティガールの活躍が爽快!夫といる時にはカッチリとセットされた髪が烈風に乱れる様子が全てを物語っていると感じた。
「私は誰のものでもなく私自身。」
先輩や同世代と分かち合い、後輩にも娘にも伝えるメッセージ。彼女は間違いなくヒーローだ。
また、パートナーのボブが良かった。ダメな所も良かった。
ダッシュの宿題に一度は短気を起こして拗ねるけど、ちゃんと考え直して真正面から向き合う姿にホロリとした。彼はすごく良いパパ。
時にモンスター化するほどの途方もない能力を顕現させるジャック=ジャックに翻弄されながらも、ボブは彼を理解する努力を決して手離さない。
そして一番大切なこと、ヘルプの声を上げられる。ここがしっかり描かれてて良かった。
フロゾンやエドナなど友人達にも恵まれる、誠実な人物像。
パワーでなく、この優しさ、素直さこそが、彼のヒーローたる資質と感じた。
ディヴァー兄妹を通し、自立や自治の厳しさ、理想と本音、理想論と悲観論の対立が語られる。世界を分断するのはペシミスティックがもたらす自衛(自立)意識の暴走なんじゃない?とか……そんな感じ。
モンスター化する我が子の扱いに外部協力を求めるボブとヒーローへの絶望や兄への不信感を拗らせたイヴリンが対比になってる。
兄のウィンストンは無邪気な理想家で商売の天才なんだけど、商才豊かな人を胡散臭く見てしまう観客の偏見を映画の目眩ましに利用している。
白眉は、エドナとジャック=ジャックが一目で通じ合うシーン。
天才同士の孤独な魂が惹かれ合い、才能への献身という形で結実する愛情。これはブラッド・バードでなければサラリと描けないんじゃないかな?と思った。
笑って泣いて、卑劣な敵の手段に嘆き、その顛末にちょっと悲しんで(憎めない敵役なんです。)やっぱり笑顔で締め括るヒーロー一家の物語、存分に楽しみました!✨🙌✨