わたなべのどか

LION ライオン 25年目のただいまのわたなべのどかのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2025/2/5
本当にあった実話。インドに住んでいた少年サルーは、ある日兄の出稼ぎについていく。
ここで待ってろと兄に言われたが、歩き回っているうちに眠くなり、停車中の電車の中で寝てしまう。
起きた時には電車はすでに走り出しており、その後2-3日走行しっぱなし。降りた場所は知らない土地で言葉も通じない。

孤児院に預けられたサルーはオーストラリアの里親に引き取られる。なんの不自由もなく育ったサルーだったが、自分の出生を明らかにしたいという想いが強くなる。当時の電車の時速と乗車期間から範囲を決め、幼き自分の記憶を頼りにGoogle Earthから故郷を探すという途方もない挑戦が始まる。

母親はサルーが帰ってくると信じて、引っ越しをしなかったらしい。サルーと会えた時、「雷に打たれたような衝撃と海のように深い幸せに包まれた」と言っている。当時一緒に出かけた兄は亡くなっていた。

捜索の試行錯誤よりも、本人の葛藤をメインに描かれたので、思ってたより感動は少なかったかも。ただ、エンドロールでタイトルがなぜライオンなのかそれがわかったときに切なさ倍増。幼いサルーがよくぞここまで立派に育ったなという感動と、そんな幼いサルーを失った母親の心労を想像できた。