mayuchi

LION ライオン 25年目のただいまのmayuchiのレビュー・感想・評価

3.5
【2017年109作目】

オーストラリアで暮らすサルー。
彼はこの地に養子としてインドからやってきた。
何不自由ない暮らしをしながらも、離れ離れになった故郷の家族を想う。
迷子になってから25年。
微かな記憶を辿り、母親を探す・・・。

もうずいぶん前に何かのテレビ番組で、Google Earthを使って本当の家族を見つけるまでを紹介していたのを観てました。
本作が映画化される事を知り、あのお話しかと!
結末までだいたい知っているので、観るかどうか悩んでいましたが、フォロワーの皆さんが、良かったと揃って仰ってたので、観に行く事にしました。

映画で観るインドとオーストラリア。
凄く違いを感じました。
インドは夜に子供が外に1人でいる事に、誰も気に止めない。
これはほぼ事実なんでしょう・・・。
インドでは年間ものすごい数の子供が行方不明になっているそう。
サルーのように迷子になった子もいれば、連れ去られる子もいる。
どちらにしても結果は悲惨なものでしかない。

でもサルーはその中でも、奇跡に近いくらい幸運だったはず!
こんなに大切にしてくれ、愛してくれる両親に出逢えたんですもん。
でもその幸せの中にいても、ふとした時に思い出すのは、本当の母親。
駅ではぐれた兄。
当然ですよね・・・。

育ての母親に悪いからと、実の母親を探すのを内緒にしていたが、とうとう見つけたとサルーが育ての母親に告白する。
その時の育ての母親が素晴らしかった!
愛に溢れていましたね。
母親を演じたニコール・キッドマンの演技が本当に素晴らしく、涙が溢れました。

ようやく本当の母親に会いに行く場面。
昨日歩いた道のように足が進む。
ここからは、あらすじ等は伏せますが、とにかく感動的なのです。
私が観に行った日は、割引のある日だったし、お昼間だったので、割と席が埋まってました。
だから、あちこちからグズグズと泣き声が聞こえてきました。
ラストもね・・・あの事も分かるので・・・。

サルーや本当の家族にとっては、とても悲しい事が起きた訳ですが、育ての両親がとても良い人達で、その後も幸せに暮らせているようで、本当に良かったなと思いました。
でもサルーと少しの間一緒にいた、他の子供達の行く末が気になりました。
サルーみたいに幸せにになれた子なんて、ほとんどいないんでしょうね・・・。
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