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ワイルド・スピード ICE BREAKのmのレビュー・感想・評価

4.7
常軌を逸して娯楽映画の彼方へと突き抜けていくジャスティン・リン監督の第4〜6作、主演俳優との死別という現実の悲劇を美しい作品へと昇華したジェームズ・ワン監督の第7作、と続いて「ストレイト・アウタ・コンプトン」のF・ゲイリー・グレイ監督にバトンタッチした8作目。

冒頭のエピソードから一つ一つの描写が実に丁寧。飛行機内で話すヴィン・ディーゼルとシャーリーズ・セロンの切り返しで、セロンの顔に当たる陽射しの変化でアクセントを付ける等細かい技法は流石グレイ監督。

最後まで一切無駄無く突き進む脚本も優れていて、セロン扮する悪役の説得力は女優本人の力と撮影照明の巧みさもあってお見事。
そしてこれまでのシリーズに登場してきたキャラクター達(=俳優達)への愛情に、全編優しく包まれている。キャラ全員が少しずつ人間味を増していたのも監督の力量か。

さらにシリーズ恒例の常軌を逸した見せ場の数々や、筋肉成分も百点満点。
文句無しの傑作。

ブライアンへの愛とリスペクトも、泣かせます。
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