てながあしなが

マネー・ショート 華麗なる大逆転のてながあしながのレビュー・感想・評価

3.6
サブプライムローンを予見して空売りを仕掛け儲けた人たちの実話。フィクションと言われると急に陳腐な感じがするけど、いざ実話と言われるときな臭い匂いを嗅ぎ取り核心を持ち続ける主人公の非凡さが際立つ。ただ、筋書き時代は割とベタで、展開や演出もそこまで凝ったものではない。どちらかというとその物語が示唆するエピグラムが気になった。楽観的な見方を続け現実を見ない格付け機関や、与信のない一般人にローンを貸し付けまくる業者などに対する寸鉄。
そんな昨今といえば、かんぽの不適切営業、農林中金をはじめとしたCLOへの傾倒。物語の最後の方に、反実仮想的にリーマンショックによって不適切営業をかけた銀行員が逮捕されたとか、デリバティブや先物の取引が禁止されたといった事実を否定していた。
日本の金利は下がり続け、不動産価格も都心部を中心にバブルが起きているという。我々はリーマンショックから何を学んだんだろうか。何かを学ばなかればならないだろうと問いかけられているようで、なんだか身につまされる映画だった。