2007年 アメリカのサブプライムローン問題から端を発した世界金融危機。日本ではリーマンショックという言葉の方が馴染み深いかも。
ある程度の金融経済に関する知識がないと2時間ポカンと置いていかれるかもしれないが、随所に分かりやすく、エンターテインメントに昇華しようとする工夫が見て取れて好印象。
この手の映画は説明しすぎると雰囲気が壊れるし、簡略化しすぎるとマイルドになりすぎるから演出が難しいのかなと思う。
この映画はある意味皮肉的だなと感じた。
観客のほとんどは雰囲気やイメージだけを追いかけて、ストーリーの中に出てくる業界用語や意図を理解せずに進むんだけど、それって今の世の中も一緒かなと。
日本のバブル崩壊だって、世界金融危機だって、なぜ起きたかを一部の人以外は理解していない(できない)し、理解していないもののせいで自分の生活に大きな影響があったりする。
途中ブラピ演じるベンが大儲けだとはしゃぐ若者たちに対して「はしゃぐな、自分たちが得をすることの意味を理解しているのか?」って諭すシーンが印象的。
この頃から資本主義の終焉やら金融経済の限界が唱えられるようになったけど、この映画を観て改めて複雑化しすぎた金融経済やそれを後押しする政策に疑念を持った。
日本はもう少し実態経済に寄り添った政策にシフトしてくれると嬉しい。