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悪意の眼のrebのレビュー・感想・評価

悪意の眼(1962年製作の映画)
3.5
新文芸坐シネマテーク クロード・シャブロル特集で鑑賞。
売れない仏人ジャーナリスト、アンドレは、取材でドイツに滞在中、成功した作家とその美しい仏人妻エレーヌと出会い彼らの自宅に入り浸り、エレーヌをストーキングするようになる。そして悲劇が。
実はドイツ嫌いで、ライターとしての実力も無いのに自意識過剰で、他人の幸福が許せない子供じみた主人公アンドレのモノローグが延々と続く本作。面白かった!
エレーヌサイクル(シャブロルのミューズ名として多く登場するエレーヌという名前)の第1作目らしい。
エレーヌを演じたのは、当時ジャン=ルイ・トランティニャンと別れ、シャブロルと交際中だったかもしれない30歳のステファーヌ・オードランで、透明感があって美しい。
泳げないことを知られて子供のように拗ねる、なんか屈折したアンドレを演じたのはジャック・シャリエで、今回私は初めて観たがなかなかのイケメン。
大寺さんの解説によると、彼はマルセル・カルネに見出され人気が出て、あのブリジット・バルドーと結婚なさったとか!
でも身籠ったバルドーのために、オファーがあった「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンがやったリブリー役を泣く泣く諦めたとか。そして無事出産したバルドーには結局捨てられてしまったそうな。
う〜ん、もしかしたらジャック・シャリエでもリプリーは成り立ったかも。マット・デイモンよりは全然いけた。
なんともほろ苦い育休でしたねぇ。
そしてなんとなく人気も下火になり、そんな時の本作出演だったらしい。シャブロルは、リプリーになれなかった彼のために、本作ではどことなく似たシチュエーションを設定してあげたとか。
まぁBB様と3年間とはいえ結婚し、息子もできたのだから彼の人生は薔薇色だったと言えるでしょう。
あれ?ステファーヌ・オードランがトランティニャンと別れたのって、当時ロジェ・ヴァデム監督と結婚してたBB様との浮気が原因じゃなかったっけ?
つまり本作はBB様で何かしら傷ついた2人の涙の共演だったのか‼︎
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