Masato

ザ・アウトローのMasatoのレビュー・感想・評価

ザ・アウトロー(2018年製作の映画)
3.5

犯罪者vsクズ 応援するならどっち?俺は犯罪者。

「ヒート」を意識して作られたかのような、警察と強盗団の熾烈な戦いを描いたアクション映画。

本国公開前は50セントが出ているからC級映画じゃないか?と不安だったが、公開したらまあまあの評価で続編の製作も決まった。見てみると、冒頭のつかみは素晴らしく、最初から最後まで綱渡りをしているような緊迫感があって良かったが、致命的な部分もある。それが良くも悪くもな作用をしてしまっている。

それは、どちらもワルモノ同士の戦いとして描いているが、強盗団は犯罪者なので悪者だという認識で、主人公はクズ夫で人間性が最悪な奴で、個人的には主人公の方よりも強盗団のほうが良い奴に見えてしまっている。この場合、バランスよく悪さが均衡していないといけないので、強盗団の人の方もクズっぽく描いて欲しかった。均等に描いたと思い込んだ監督の計算ミスかなと思う。端的に言えば、偶発的で悪い意味でのキルモンガー現象。ヒートはアルパチとデニーロで均等に描かれていた。銀行強盗する奴よりもクズ夫の方が悪く見えるのはなぜだろうか…

これが引き起こした悪い点として、主人公たちが一応ヒーロー的な立ち位置なのが違和感だった。主人公の、見てくれで脅迫してくるようなチンピラ人間が嫌いなので腹立つ。一応苦悩する場面もあるのだが、苦悩するだけで終わるので、現状ではただのクズ。

恐らく偶発的な良い点としては、強盗団が強盗作戦実行中に「失敗しないでくれ…」と応援できるから、よりスリリングに楽しめた。ヒヤヒヤ度はかなり良い。

あとはガンサウンドがヒートよりかは良くないところくらいで、銃撃戦自体は良く頑張っているし、カッコよかった。
強盗団のコンゲーム感はかなり上手く作られていて、前述した通りにかなりスリリングに見ることができ、どんでん返しもありで良くできている。

パブロシュレイバーとジェラルドバトラーカッコいい。アイスキューブの息子はマジで最高。

個人的に悪さを均等に描かれていたら評価は4.0以上だった。
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