あとからあとから心の全てを持っていかれる。
美しく繊細で聡明で常に神経が尖りすぎていて、家族や地元から浮いちゃった「みんな」の為の物語という感じ。
芸術に深く傾倒してきた過去のある人間は心のどこか皆こういう気持ち抱えて生きてるものなんじゃないかな。理解されないとわかっていて、どこか隠し事があるような気持ちというか。
その熱い共感は確かなんだけど、それと同時にそういった主人公を取り囲む人物がそれぞれ別の理由で彼を腫れものとしてあつかっている背景のわかる描きかたも見事です。
ドランの人物のディテールに対する深い深い拘りを感じます。
それでも題材の閉塞感のわりには笑っちゃうほどスタイリッシュだし、劇中に出てくる音楽も全てめちゃくちゃ良かったです。
" Home is where it hurts. "って、笑いながら泣きました。