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たかが世界の終わりのはーのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.5
独特な映像美と、フランス代表役者の演技のぶつかり合いと、挿入歌で筋を補足する大胆さ。それらが調和し、緊張感のある会話は常にミステリー性を孕み、最後まで引き込まれた。

家族同士ならではの生々しい感情。期待しては裏切られ、くっつくことも、離れることもどちらも同じく難しい。家族とは、究極に割り切れないもの。

理由や原因、結末は観客の解釈に任される。人の数ほど家族への想いは異なるので、正解は無い。

ちなみに兄嫁役は、エラそうな夫や義家族の顔色を伺って控えめに生活するキャラクター。「自立しているフランス人女性」みたいなステレオタイプとは真逆の描写で、「フランスにもこういうのあるんだー」と少々意外だったけれど、どの国だって多様であって当たり前ですよね。いかに一面的なイメージを持っていたか、時に映画は気付かせてくれる。

家族の繋がりに疑問を持ったことのない幸運な方には共感しにくい映画でしょう。説明的で結論の分かりやすい物語に飽き飽きな方にはおすすめです。
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