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ハーモニーのsayuriのレビュー・感想・評価

ハーモニー(2015年製作の映画)
4.7
人は、必ず拠り所を必要とする。自分自身を構成したり、整理したり、組み替えたり、調律したりするためにどこかに拠り所を求める。ひとりじゃ生きていけないっていうのはこういうことだよね。


何故ミァハは、ひとりで自殺しなかったのか。
意思を持たないまま生まれ、意思を身につけた後も神のような聡明さとその孤高さに人間味を与えたのは、誰かを求めるという行為であるような気がする。


トァンはミァハに最後まで必要として欲しかったのではないかな
ミァハを完全体へと昇華させまいと、、、人間味を失わまいと。
“ごめんね、ミァハ”にはこういう点も含まれていると思う。



『若きウェルテルの悩み』を読んで自殺する人が何人もいた、と聞けば、その意識が頭から離れない。脅迫観念らしさを振りかざしてくる。
死ぬのが怖い、という意思を強烈に湧き立てると同時に、死んでしまいたいとも強く思ってしまった、、怖いね。

余韻とは程遠〜〜〜い、病めるような感覚
吐く息も黒く感じるような鬱っぽさ。エヴァっぽいわ〜


観たらこうなるとわかってたけど、観ずにはいられなかった、、、、それでも
観ないで後悔しなくてよかったほんとに


これを観て語らい合える人とは死ぬまで付き合っていたいです。
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