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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスのFOXHEADSのレビュー・感想・評価

4.1
★20年弱を経ての後日譚...では無かった!

ライ・クーダーがリリースしたキューバの老ミュージシャンとのコラボレーション・レコーディングを基に、ヴィム・ベンダース監督がメガフォンを取って製作された1999年の音楽ドキュメンタリー映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」から20年弱の歳月を経た姿を映したドキュメンタリー作品。コンパイ・セグンドなどの前作の中心となった何人かを他界により失い、残されたメンバーと後継者達からなるグループによって行われる最後のツアー「アディオス」ツアーの模様を中心とした、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」続編であり完結編と言える内容。今作では、前作でスポットの当たらなかったミュージシャンの人生も捉えて、より多くのメンバーの足跡を辿り、志半ばで逝ったメンバー個々のパーソナルな部分にも触れている。これで「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は終焉するのだろうから、そりゃセンチメンタルな部分はあるが、悲壮感が微塵も感じられないパワフルな演奏は、熱い魂が炸裂する熱すぎる音楽でした。その熱さを感じて意思を継ぐであろう次世代のミュージシャンにより、その後もキューバの音楽は熱く鳴り響いていくのだろうという期待を抱かせる。ちょっと切なくて、でもものすごく熱い作品でした。
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