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ゲティ家の身代金のFOXHEADSのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
4.1
★リドリー・スコットが描く70年代ってレア!

実際にあった誘拐事件、実際にあった大富豪の身代金拒否...という、実録物という事で、プロット的にはこうなるだろうなーの域を脱していなかったので、若干の肩すかし。でも傑作だった!ケヴィン・スペイシーがスキャンダルを起こして降板、急遽代役で撮り直し...という、色んな苦労話と逸話が絶えない作品なれど、そこばっか強調されたら、この映画の素晴らしさを見逃してしまう!リドリー・スコット爺といえば、やはり「ブレードランナー」「エイリアン」諸作の退廃した近未来~未来か、「コロンブス」「デュエリスト」「グラディエイター」などの古代を舞台にした作品が多いが、今作は1970年代。その描き方がエグイ位に素晴らしい!完璧主義者(だと思っている)のスコット監督が描く70年代は、細かい描写や大物小物、人の仕草に至るまで、完璧としか言いようが無いと思った。そしてその監督のオーダーを完璧に演じたミシェル・ウィリアムズがやはり素晴らしいのでした。プラマーの天然演技もいいし、こんなちょい役(でもいい奴。しかもイタリア人!)でフランスの国民的俳優=ロマン・デュリスを使うのも凄い。素晴らしき演技者が入り乱れるが、その根っこには、傑作になりそうもない題材を傑作にしてしまう、リドリー・スコットありきの映画だと分かる。結局のところは傑作です!
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