なちゅん

500ページの夢の束のなちゅんのレビュー・感想・評価

500ページの夢の束(2017年製作の映画)
3.8
ダコタ・ファニング以外にウェンディを演じられる人はいないだろうな。繊細な演技にすっかり魅了されてしまった。

ダコタ演じるウェンディはスタートレックが大好きな自閉症の少女で、脚本コンテストに500ページの脚本で挑むのだけど、郵送が間に合わずにロスのパラマウントのスタジオまでいくことを決意する。
その道中は困難だけど、まあまあ彼女に有利なように進んでいく。ただでさえ「困難」の多い彼女だから、これくらいでないと画面が大変なことになる。これくらいでちょうどいい。何が彼女にとって大事で、何が彼女を混乱させているのか、彼女が届けたいのは何で誰になのか。それを明確にするために、それ以外はある程度軽くしておく必要がある。

この映画の中で重要なのは、彼女がコンテストで入賞するかどうかではない。ウェンディが自分を引き裂こうとする「感情」をdealできるようになっていること。自分を取り巻く環境やその変化を受け入れられるようになっていること。
ロスの警官のおじさんとの出会いが結構大きかったと思うよ。

私は自閉症もADHDも診断されたことはないけれど、割とギリギリのところにはいると思う。ギリギリのところは、それはそれで生きにくいよ。普通の人の皮をちゃんとかぶってないといけないから。
なちゅん

なちゅん