このレビューはネタバレを含みます
カルト教団への潜入取材を描いた、モキュメンタリー作品。
「カルト教団×モキュメンタリー」という組み合わせが、まず面白い。
所謂、モンド映画的なアプローチと言いますか、カルト教団の内情を覗き見する様な感覚を味わえる事でしょう。
登場するのが知らない俳優ばかり＆外国が舞台になっている事で、モキュメンタリーとしての強度も高く、特に興醒めする様な場面もなかった様に思います。
ただ、有名な人民寺院の事件をモチーフにしているという事で、物語面やディティールに関しては、そんなに驚きはなかったかなと。
もうちょっと、この教団ならではの教義だったり、指導者の人間性を掘り下げても良かったかもしれません。
とはいえ、ファーザーの実在感は凄まじく、取材者の個人情報をチラつかせる事で、何気なく脅迫する場面は怖いものがありましたね。
いくらか物足りなく感じる部分もありますが、変に冗長な作品にするよりも、ダレずに100分で走りきる作品を目指したのでしょう。
それはそれで正解だと思うし、ジャンル映画として気軽に見れるのが本作の良いところでもあるので、カルトや人民寺院を知る入り口としてもオススメしたい作品です。
