まーしー

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のまーしーのレビュー・感想・評価

3.0
リブート版シリーズ第3作にして最終作。人類vs猿の全面戦争を描く。
と言っても、武器を取り合って両者が激しく激突するわけではない。
猿たちによる、軍事施設に捕らえられた同胞たちの救出劇がメイン。

舞台となったのは雪が舞い散る白銀の世界。
そのような環境下で、人間たちから過酷な労働を強いられている猿たちは、もはや奴隷同然と言っても過言ではない。
一方、人間の側にも異変が。猿たちへの優位性を揺るがす事象が生じ始めていた。

リブート版の前2作は、登場する人間も多様だった。猿との共存を模索する者、猿を敵対視する者、猿をいじめる者……しかし、本作で登場するのはステレオタイプな軍隊。
特に、そのリーダーである大佐は冷酷無比な人物で、その命令に部下たちも忠実に動く。軍隊という組織の性質もあるだろうが、画一的で深みが感じられない。少女の登場も個人的には刺さらなかった。
それに対し、猿側にはニューキャラとして「バッド・エイプ」が登場。ハリポタシリーズのドビーを連想させるビジュアルと、どこか間の抜けた言動に脱力させられる。

猿たちを率いるシーザーの苦悩や悲哀など、ドラマ面の描写もある。
ただ、2時間20分という長尺の割には、重厚感や骨太感はなかった。
ダイナミックな動きに欠ける物語の進行やテンポの悪さ、魅力的な登場人物の不在などが、その要因だろう。どうせなら、もう少しコンパクトにまとめて欲しかったように思う。