トンチキジャパン描写が大好きな私に刺さらないわけがない超名作。本作を知らずとも一度は耳にしたことがあるBGMもあるだろう。少し前の映画ではよくある現象。
端的に言えば単なる復讐劇である。が、台詞回しやBGMの使い方が絶妙ですばらしい。数あるタランティーノ作品の中でも最大級にタランティーノ節が効いていると思う。タランティーノが撮りたい映画を撮り、それを私が享受するそれだけの幸福。細かい理屈は抜きにして、ただただ濃い目のエンタメを全身で浴びるだけの幸福。娯楽映画の極地とも言える。似たようなクセの強い映画は数あれど、さすがタランティーノはクオリティが違う。トンチキに関して彼の右に出るものはいない。多分。刺さらない人もそりゃいるだろうが、私は大好き。
日本のヤクザを牛耳るオーレンのパートでアニメーションを使うのも良い。ちなみにあのアニメーションはProductionI.G.制作で監督は中澤一登。新・天地無用！やナージャの作監である。
それはそうと、外国人が描くジャパニーズヤクザのなんと魅力的なことよ。ザッケンナコラー！ スッゾコラー！ を地で行く。そしてそいつらをバッタバッタとなぎ倒す！ ついでにスシも補給する。マフィアとはまた違う魅力に溢れている。
アクションをしない千葉真一というのも珍しい。それでもカタナを扱う彼の迫力にただただ圧倒されてしまう。それでも何かしらのアクションシーンを観たかったのも事実である。その代わりに栗山千明が可愛い。
終盤の殺陣シーンはまさに圧巻。大量の血が流れ、人が死に、それでも軽快さは損なわれない。気持ちの良い暴力の演出に一切の妥協がない。
本作は頭を使わず楽しめるアクションエンタメ映画の最高傑作である。なかなか配信してくれないみたいなので、中古DVDショップで見かけたら積極的に買っておくといいぞ。
