こうみ大夫

神のゆらぎのこうみ大夫のレビュー・感想・評価

神のゆらぎ(2014年製作の映画)
3.8
飛行機が落ちなかった方が悪いことではあるが、「幸せ」だったに違いない。それは一般的な受け取り方と言えるだろう。しかしラスト、彼女の顔には涙すらない。それはどこか、すべてを知っていたかのような顔だ。ドランもまた、死のうとして彼女を追い払った。そう考えると、人の人生は「幸せ」の逆を、必ずしも「不幸せ」とは言えない。
旧約の神であれば、こんな奴ら天罰じゃーとなるとこだが(笑)、今の時代に生きる優しい私たちには辛い出来事のようにしか感じない…。また一方で、愛はその悲しみに打ち勝つと、最後の表情が教えてくれる。神が永遠であるなら、人の愛もまた永遠だろう。その間のゆらぎ、それこそがこの映画の面白さだ。
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