青二歳

グランドフィナーレの青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

グランドフィナーレ(2015年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

意外とギャグ映画。良く言えば不条理。夢や回想が全力で遊びにかかってる。80歳ジジイ二人がスイスのスパに滞在中起こるあれやこれや。静謐なグランドホテルものの体だけど"ケロッグ博士"か"ホテルスプレンティッド"を思い起こす有様。
パロマ・フェイス(金髪グラマーPOP歌手)やらスミ・ジョー(韓国女性オペラ歌手)、ヴィクトリア・ムローヴァ(亡命ロシア女性ヴァイオリニスト)が実名役で出るってどーなるんだと思ったら…

パロマ・フェイスの挿入されるプロモーションビデオは一周して可哀想。いや笑ったけど。クライマックス、ムローヴァのヴァイオリンもスミジョーの歌声も見事。スミジョーはオペラファンから良かったと聞いてたんで気になってた。確かによい。でもお鼻のシリコン感に気が散って仕方ないでおじゃるよ…もう少しどうにかならないものか…(…まあ舞台だと気にならないだろうけど)
ということでクラシックファンには見所ありです。主人公の二人のじい様、マイケル・ケインは高名な指揮者、ハーヴェイ・カイテルは映画監督という設定なので。カイテルは一体何本の映画撮っているんだ。SFにユーロウエスタンにアクションに文芸作にと多作家のご様子…若い頃はプログラムピクチュアも撮ってました設定と見ておこう。

ジジババ映画として観ると原題が"Youth"ということが気になります。主役二人のじいちゃまも、スパの滞在客やゲストもセレブ揃い。でぶーんなマラドーナもいます。彼らの若かかりし壮年期"Youth"(訳すなら今回は青春か)に輝く栄華。そして舞台となるスパがトマス・マンの滞在したホテルらしい。ここまで来ると笑えてきます。

個人的には老齢の性にも触れていたのは好みなんですが、表象に帰していて物足りない。というより、この映画表象ばかりですね、ふざけてて面白いですけど。カイテルなんてアッシェンバッハですし。そして出てこないストラヴィンスキー役。コスプレしやすそうな顔してんのに…残念。
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