美しく、難しい。そして、深い。
よく、特効が激しいアクション映画やSF超大作などについて「これは劇場の大画面で見なくちゃ」みたいな意見を聞くけれど、いやいやいや、こういう映画こそ劇場で見るべきと痛感した。
何といっても画面が美しい。とにかくもう、すべてのシーンが美しい。そして俳優の表情がまた素晴らしい。メインキャストはマイケル・ケインとハーヴェイ・カイテルというおじいちゃん二人。常に二人で愚痴をこぼしたり冗談を言い合ったり。そんな二人の表情が大写しになるのだが、台詞を言った後の沈黙の表情からも、さまざまなことが伝わってくる。おじいちゃん二人然り、レイチェル・ワイズ然り。何だったらカウベルをぶら下げた乳牛のアップだって雄弁だ。
ストーリーは何となく予測した通りではあるのだけれど、ちょっとした台詞が示唆に富んでいて、いろいろと考えさせられる。といっても難しいんだけどね。多くの人が言っているけれど、10年後に改めて見たら、また感じ方が変わるのかもしれない。
