グラッデン

グランドフィナーレのグラッデンのレビュー・感想・評価

グランドフィナーレ(2015年製作の映画)
3.6
引退を宣言した作曲家・指揮者の主人公が、バカンス先のアルプスのホテルでの交流をとおして自身の「過去」や「老い」に向き合う物語。

所謂、グランドホテル形式とも言える作品構造。主人公をはじめとする主要な登場人物は、自身が達成した過去の仕事と対峙しながら、現在の自分の存在について問い続けます。主人公の指揮者は、ある仕事の依頼を通じて、老いていく中での自身の在り方を考えていきます。

原題でもある「YOUTH」=「若さ」の存在は、そうした登場人物たちの自問自答の中で一石を投じる存在として象徴的に描かれております。若さとの遭遇が何をもたらしたのか、その後の反応もまた興味深かったです。。

また、ホテル館内の様子やアルプスの雄大な景色が映像的に見ていて落ち着きを与えるとともに、それ以上に限られた人間のみが宿泊できる場所だと感じさせるムードもまた、ゆったりとした時間を作り出していると思いました。
そのせいか、自分は、若さを誇れる年齢でもなければ、老いを感じる年でも無かったので「あっ、まだ早かったか」と早々に悟ってしまいました(汗)また、それなりに年を重ねてから見直したい作品で。。