Yoko

グランドフィナーレのYokoのレビュー・感想・評価

グランドフィナーレ(2015年製作の映画)
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齢80を超えた名指揮者は、映画監督の友人とともにスイスのホテルでバカンスを過ごしていた。
ある日、英国女王の特使が訪れ、演奏会を指揮してくれるよう頼みこんできたが…。


映画に対して普段抱いてるリズム感やテンポを少しずづ崩してくる迷作。
邦題の印象だとシネコンでやってもおかしくはない風であるが、明らかにミニシアター向け。
公開規模がどれほどのものだったのか気になる。
邦題の是非については、今作にいまだ評価を定められない自分に判断を下す資格はありません。

構成自体は決して複雑ではないはずなのだが、諸所の台詞やカット割り、映像演出にどこか心に引っかかる「変」を発見し、それらが徐々に蓄積する。
最初はわずかな「変」だったのだけれども、とある俳優の「一変」により「変」はいよいよあからさまになっていく。
ただ、これら蓄積された「変」が別のエネルギーになって昇華されずに終わっていくのが不思議だった。
観終わってから最初に連想したのはオリヴィエ・アサイヤスの作風。
でもアサイヤス映画なら「変」が一応の着地を得ていたように思うのだが、今作は彷徨っている。
山奥のホテルで若者たち(弟子?)らと新作の構想を練るハーヴェイカイテルには『シャイニング』の趣も。
アルプスの山並と自然、夜の屋外ミニライブの映像が超ド級に美麗ながら、段々とそれらに開放感よりは閉塞感を覚えるのも不気味だし、何よりB級丸出しのCG合成など盛り沢山。
R・ワイズは『ロブスター』といい『ファウンテン』といい、トンデモ作品に出る美人女優というキャラが自分の中で確立された…。
今作の彼女はとにかく謎謎謎!
Yoko

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