Keitan

グランドフィナーレのKeitanのレビュー・感想・評価

グランドフィナーレ(2015年製作の映画)
3.2
『人生の終焉に向け”若さ”に向き合うお話』

20191027 121
以前から気になっていたが見てない映画リストからのチョイス。舞台が高級ホテルということもあって、映像が格別リッチで美しい。それに見惚れるだけで時間が過ぎていく。有名曲の作曲家が主人公の人生の幕引きへの物語。語り口が哲学的でちょっと難解に感じた。

引退を理由に演奏依頼を頑なに断る主人公と、人生最後のシナリオを書いて更なる飛躍を求める親友の映画監督が対比的に描かれていく。
「若い頃は遠くのものが近くに見える。年老いると近くのものさえ遠くに見える。」という作中で望遠鏡を使って説明されるセリフがあり、若い頃に求めた栄光に年を重ねてどう向き合うか。が本作のテーマだと感じた。ちなみに原題は『YOUTH』。

ゆっくりとした展開で淡々と物語は語られ、あることをキッカケに主人公は最後の決断をする。若い演奏家たちと演奏を奏でるラストシーンは素晴らしく胸を打つ。妻への想いを綴った彼の楽曲は多くの人に愛され、これからもずっと生きつづける。そんな余韻に浸る終わりかた。

と、素直に物語を追いかけるとそんな感想。ただ全体的に演出が観念的で、編集に違和感を覚える場面もある。そのため途中、ホテルがサナトリウム的な療養施設なのかもと疑ってみたり、実は映画全体が死後の世界を暗示している様に感じられる(映画監督の死もベランダから飛び立つような印象も感じられたり)と考えるのは深読みのしすぎ??
誰か解説してください💦
Keitan

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