店長

ロブスターの店長のレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.5
>独身者は、身柄を確保されホテルに送られる。そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、自ら選んだ動物に変えられ、森に放たれる、そんな近未来。独り身になったデヴィッド(コリン・ファレル)もホテルに送られ、パートナーを探すことになる。しかしそこには狂気の日常が潜んでいた。しばらくするとデヴィッドは“独り者たち”が暮らす森へと逃げ出す。そこで彼は恋に落ちるが、それは“独り者たち”のルールに反することだった―。

この映画では舞台が4つ出てくる
「ホテル」「森(逃げた者)」「恋人との関係」「一般社会である街」

恐ろしい事にすべての日常が狂っている。
一般社会は夫婦としてのあり方を強く肯定し、一人で歩くと職務質問されるレベルである。ホテルは一人での自慰行為を禁じ、生殖能力を維持するためにメイドが少しだけ奉仕するなど明らかに性・パートナーに特化した狂った日常である。
森は反パートナー主義なので自由かと思ったが決してそうではなく、恋に落ちたら近視を治す手術として失明させられる。

主人公の男が一人では塗りにくい背中の軟膏を常にしんどそうに塗っているのが象徴的だった、彼は他者と関わりを持つという性質を持ち合わせていた。

最後、主人公がパートナーと同じようにステーキナイフで失明するシーンで幕を終える。

映画的な展開というよりもこの世界観がいかに狂っているかを展示されているものを順番に見ていく、そんな映画だった。
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